第50代 理事長
 冨永 隆太

はじめに
感謝そして未来へ

 佐倉青年会議所は今年で創立50周年となる。それは、諸先輩方が常に能動的に考えて行動し、最善を尽くして形にしてきたからこそ迎えることができた50周年である。 そしてより良い地域を目指す社会課題の解決のために、青少年育成事業やまちづくり事業に奔走してきたことにより得ることができた佐倉青年会議所としての厚い信頼があるからこその賜物である。私を含む現役たるメンバー1人ひとりがその歴史の重みを理解して、その育んできた信頼を現役メンバーの立場として最大限に生かして、この国、地域、社会を少しでもより良い方向に導かせるために活動をしていくことが50年もの間、佐倉青年会議所を紡いでいただいた諸先輩方への尊敬と感謝の念の示し方だと私は強く考える。そんな私も佐倉を愛している。ひいては、千葉県も日本も愛して止まない。その日本で生活を共にする何よりも愛する家族、親戚、恋人、友人、先輩、後輩、隣人、ペットが今現在よりも良好な環境の中で充実した良き人生を過ごしてほしいという気持ちは万人の想いであろう。私たちが愛する全ての人々が幸せに生きていくためにはどうしたら良いのか考えた。我々佐倉青年会議所は常に物事を最善の結果が得られるように熟考し、能動的に実行していかなければならない。それが青年団体の本質でもある。解決しなければならない課題は山積みだ。隣国で起こる戦争、2025年問題や気候変動、地方の過疎化等、挙げたらきりがないほどの問題が発生している。私が1番危惧していることはもっと根本的な人間の心の貧困化である。悟り世代という言葉に代表されるように、全て合理的に物事を考え、他人に関心を持たないことや、世の中に期待をしない、無気力、無関心や自分と社会に否定感があるなど、心が貧しくなっていることが1番の問題ではないか。1年間という短い時間でどこまで何ができるのか。正直すぐに解決するとは思っていない。しかしその一翼になることができるのが青年会議所運動である。最も小さいコミュニティが家族である。その愛する家族を幸せにするためには、生活基盤である地域が豊かでなければならない。豊かな地域は豊かな心を育み、豊かな感性が構築されていく。まず足元である地域が豊かなまちになることを目指し、地域住民全員が誇れる豊かで生きる活力が溢れ、愛されるまちを目指していかなければならない。結果として、その輪が広がり地域全体ひいては日本全体に広がっていき、本当の意味での明るい豊かな社会の実現を体現できると強く信じ今年1年能動的に活動していく所存である。その結果として自分の愛する存在や明るい未来を担う子ども達が良き人生を送ることに繋がっていくことを心より願っている。

メンバーが高い意識で能動的になれる
佐倉青年会議所へ

 私はメンバー1人ひとりが佐倉青年会議所という団体とそのメンバーに誇りや愛着を持っていただきたい。なぜなら、我々が地域の活性化のための大前提として、実際に事業構築していく現役メンバーが青年会議所に対して「満足感」「充実感」「やりがい」を持って能動的に行動し、発信していかなければならない。「満足感」「充実感」「やりがい」は青年会議所活動を続けていくうえで重要な要素となる。そのため、いかに青年会議所で感じる学びに気が付くことができるか、それらの気持ちへ直結していくことだろう。仕事、家庭、プライベート、青年会議所活動、各々の立場や環境によって優先順位やどこに重きを置くかはそれぞれ全く異なる価値観を持っていることであろう。しかし、1つだけ間違いないことは、1日に与えられた時間は万人平等で24時間であることだ。その24時間の中でどれだけ効率的に学びを得ることができるか。そのためには、全ての事柄で能動的に学ぶ意識を持たなければ見逃してしまう。常に、様々な視点から物事を見つめて、幅広い角度の受け皿でキャッチし、多様な意見を味わえる感性を持ち、それらを取り入れ吸収する大きな寛容性を持ち、そこから得た知識をアウトプットする勇気を持ち合わせていかなければならない。時間こそ平等だが、受け取り方は己次第である。新しいものの見方、捉え方が変わるだけで自分自身の能動的な心持ちですべてが学びとなり、その時間の価値は雲泥の差になる。佐倉青年会議所が展開する例会や事業を通してそれらの己の心持ちをさらに高める意識改革を発信していくことで、個々メンバーの質の向上ができ、地域の活性化に寄与することができる組織となるであろう。

50周年の節目に活気ある豊かで能動的な地域作り

 佐倉青年会議所は1976年に発足し、本年2025年で創立50周年を迎える。設立から今日まで、熱く、力強く挑戦し続けて今日まで紡いでいただいた諸先輩に、尊敬と感謝の念を形にするため華々しい50周年式典を開催する。また、行政をはじめとする関係諸団体に向けて、50周年の感謝と行政や地元企業、地域住民の方々にとって安心して暮らせる誇りある豊かなまちの創造の一翼になる団体であり続けることを改めてお約束する場として設ける。そして、青年会議所の同胞達に新たな出発の決意表明と今後も変わらぬ友情をお願いする設えをおこなう。このまちをさらに盛り上げ活気ある地域にするために我々に何ができるのかを模索し、記念事業を開催し地域住民は当然のこと、市外の方々にもこの地域を認識していただけるような設えをして、文化的、歴史的、そしてこれからの社会を牽引するであろう若者にも受け入れられるような事業を開催していきたい。佐倉市としての全体のボトムアップにつながることができれば、その魅力に惹かれた人たちで活気ある明るく豊かなまちが実現できると強く信じ、断固たる決意で邁進をしていく。

50年の歴史でつながる能動的な会員交流

 JC活動を遂行していくうえで、全ての事業を成功に導かせる最も強い要素の1つが、会員間の信頼と連携である。この要素が強固になっていなければどんなに素晴らしい実現可能な事業の原案を作成してもただの絵に描いた餅で終わってしまう。その原案を深堀りし、構築して実現させるためには会員間の信頼と連携は絶対条件となる。活動を通じて絆が深まった親友のために、このメンバー達とこの団体のためにという意識が芽生えれば、自然と活動に熱意が生まれて、より強固な団体になることができる。もちろん、諸先輩方との密な交流も必要不可欠である。個々での交流も大切であるが佐倉青年会議所としての密な交流が事業成功や活性化、団体としての盛況に繋がっていくであろう。そして、1番の理解者であり応援者でなければ全てがまかり通らないのが家族・パートナーである。自分の最小コミュニティである家族、パートナーが青年会議所運動を理解して応援してもらわなければ活動は難しいだろう。よって、諸先輩と家族・パートナーも能動的に巻き込んで楽しませる交流事業もおこなっていく。その全てが円滑な連携関係を築くことができれば、自然と信頼が生まれ、各々の協力体制が構築される。結果として能動的な佐倉青年会議所を楽しんで切磋琢磨しながら想いを込めた活動をおこなっていけるだろう。

100年を視野に入れた能動的な出会い

 青年会議所は20歳から40歳までの年齢制限が設けられていることが特徴の組織であるため、新しいメンバーを迎え入れなくては青年会議所運動を継続していくことができない。佐倉青年会議所が50年の歴史を築いてこられたのは、先輩方が団体の素晴らしさや存在意義を発信し続け、会員を絶やさない努力をしてきた結果である。すなわち、我々も新たなメンバーを招き入れなければ100年どころか10年後も存続することができない。裏を返せば会員が増強すれば繁栄のチャンスを多く得ることができる。共に歩む同じ志を持ったメンバーを1人でも多く仲間に迎え入れ、組織強化を図ることで、青年団体としての理念達成への推進力が格段に上がっていくだろう。また、メンバーが紹介者として会員を迎え入れることでそのメンバーを成長させるためのリーダーシップを培うためにも多くの入会者を迎え入れる必要がある。そのためには常に佐倉青年会議所の活動を紹介し、今まで青年会議所の存在を知らなかった地域の方々に参加していただける事業を多く企画し、魅力とメリットを発信し続ける必要がある。我々がさらに50年後も持続可能な組織になるために、日々自己研鑽を行い、常に学ぶ姿勢を崩さず、魅力ある団体になることで自然に人は集まってくる。佐倉青年会議所の素晴らしい活動やメンバーを世に広め、そんな機会を提供できる時間を能動的に創造していく。その中で今年度は全員が一丸となり、20名の会員拡大目標を掲げ盛り上げていきたい。

未来を担う青少年の能動的な育成

 日本は超少子高齢化が進み、「子は宝」に更なる拍車がかかる昨今、時代の進歩で超効率化の便利な時代になり、様々なコミュニケーションツールを使用する子ども達が増えている。そのツールは使い方によっては素晴らしいツールでもある。しかし、その反面、子ども達の遊び方や友達とのかかわり方が非対面に変わってきていると感じる。また一方では、保護者や先生、地域住民が過保護に子ども達と接し危険から遠ざけている。もちろん、それも完全に間違っているとは思わない。しかし、危険な行為からの自己回避の嗅覚や、親以外の大人に怒られ、「大人は怒ると怖いんだ」などの認識、遊びの中で沸き起こる感情を体感できる経験が減ってしまった気がする。多様性が取り沙汰され、無菌温室で育てられた子どもがどうなってしまっているのかが今日の日本及び世界の現状だろう。何が正解かは誰もわからないが、公園で集まってゲーム機で通信する必要はあるまい。公園での大声禁止、ボール遊び禁止、もはや気の毒である。だったら公園の土地を分譲して新しい市民取り込みの方が未来のためである。全て合理的だけで物事を考えて、「それってあなたの感想ですよね」と言い合う小学生。感想じゃ悪いのか。君たちの日々の会話はディベートなのか。もっと心の底から感情が揺さぶられる経験をしてほしい。心の貧困化を食い止めたい。日本の未来を創る子ども達が成長し、自立するうえで最も大切な要素の一つの心が震える体験、少年期の多感な時期にする成功体験、失敗体験、感動体験。その1つひとつが彼らのアイデンティティを形成し成長していく。その大切な時期、無限の可能性がある子ども達に佐倉青年会議所として心が震え感動する体験を提供していく。また、スポーツを通して課題を見つけ、他人主導でなく自分主導でその課題を解決するための作戦、努力、諦めない心を養う機会を与え、失敗をも恐れない挑戦し続ける子どもを1人でも多くを輩出して、輝く未来を創る次世代への連鎖を守り続けたい。

豊かな心を育む能動的なまちづくり

 佐倉市は昨年で市制施行70周年を迎え市民の記憶に残る華やかな記念事業が開催された。佐倉青年会議所も本年で50周年であるということから、市制施工からおよそ7割もの時間を地域のまちづくりに携わり続けている。そんな歴史を誇りに思う一方で、全国的な超少子化と幼児教育の無償化の影響により、より便利で手厚いサービスが付帯している私立の幼稚園に園児が集中してしまい、公立の幼稚園が消滅するという状況下にある。私自身も公立の幼稚園の卒園生であることから、残念な気持ちでいっぱいだが、青年経済人という立場からは、仕方ない選択であったことも理解できる。まちづくりの根本はいったい何なのだろうか。と私なりに考えると、市民全員が行政に対しても社会に対しても地域に対しても心配や不安がなく心身健やかに過ごせる住み続けたくなるまちを目指す。そして能動的に行動することだろう。そこで、佐倉青年会議所としてこの愛するまちのためにどんなことで寄与できるか。まずは、地域に関わる老若男女すべての方々に郷土愛を持っていただくことだろ

う。全員が地域の状況に対して当事者意識を持ち、このまちを盛り上げていくという気概と自覚を持ち、少しでもまちを盛り上げることを意識することができれば、自然と郷土愛は生まれてくることだろう。私たちが日々生活し、愛を育み、子どもを育てるこのまちに少しでも同じ郷土愛を持った住民が増えることでさらに尊い愛されるまちになるように住民も能動的に当事者意識を持ってもらえるような機会の提供をおこない、佐倉青年会議所として地域を盛り上げられるように活動を続けていく。

組織の強固な基盤と能動的な魅力の発信

 佐倉青年会議所は公益社団法人であり、行政庁から公益認定を受けている法人である。そのため社会的信用がある組織として法令を遵守した厳格な会議体運営や財務管理、そして透明性を確保した事業運営をおこない公益社団法人である責務を果たさなければならない。その基盤として、厳格かつ時代の変化も取り込んだ組織運営は最重要事項と考える。会議運営や連絡体制、伝達方法の見直しや改変などを随時おこない、組織の円滑な活動を促進していく必要がある。そして、ホームページ、SNSの管理、活動報告や佐倉青年会議所の魅力をよりリアルタイムで発信するなど、団体や活動を知ってもらうための広報戦略を続けなくてはならない。発信しなくてはただの自己満足で終わってしまうが、活動が多くの人の目に触れることで当事者意識の増長や未来の入会希望者などが見込めるであろう。そのため、SNSのフォロワー増強も意識して行動しなければならない。地域のために良き運動をおこない、それを発信して賛同を得ることにより我々の活動活力になり、それがまた良き活動に繋がっていき好循環により地域の活性化に寄与する結果となることは明白である。

結びに

 日本は終戦から今年で80年となる本年。先人たちが命を懸けて紡いできたこの国のため、誇り高き日本人として大和魂を胸に当事者意識を持ち愚直に前に突き進まなければ日本の未来はどうなってしまうのか。人や地域はそんな簡単には変わらない。何かを変えたければまず自分から変わることだ。我々は地域を創る当事者として、より良い日本の未来を創る第一歩の運動をおこなう。この意識と覚悟をもち、地域の点在する課題に正面から向き合い、常に能動的に考えて取り組むことにより愛する地域の繁栄にもつながる。また、メンバー自身も地域や組織に誇りや愛着心を得てもらい、佐倉青年会議所として益々の繁栄に繋がっていくことでさらに50年後に紡いでいけることだろう。人生は未来に先回りして点を繋げることはできない。過去を振り返って点と点を繋ぐことしかできない。今こそ未来に向かって種を蒔こうではないか。実りある人生のために、明るい豊かな社会のために、愛する者のために能動的に挑戦を続けよう!

常に能動たれ!準備はいいか!!