第49代 理事長
 斉藤 祐也

はじめに

私たちのまち佐倉市は、北総台地を流れる川と印旛沼がある北部、首都圏のベッドタウンである西部と、工業団地や佐倉インターチェンジがある南部、京成佐倉駅からJR佐倉駅周辺は、佐倉城址公園や武家屋敷などがあり、歴史の息づかいが感じられます。オランダ風車がある、佐倉ふるさと広場には、季節に応じてチューリップやひまわりやコスモスと色とりどりの季節の花が咲き乱れます。夏には、佐倉市民花火大会、秋には佐倉の秋祭りが開催されるなど、市内外限らず多くの方で賑わう魅力あるまちです。

その一方で佐倉市だけでなく日本の問題として、人口減少、少子高齢化、環境問題、財源縮小とさまざまな問題を抱えています。また社会情勢の変化により、私たちの生活様式も柔軟に対応していく必要があります。

 ただ、このように常に変動する時代でも明るい豊かな社会を実現するために、我々には変えてはいけないことと変わらなければならないことがあります。青年会議所は、自らを律し自己成長を求めることによって、培われた力を広く発信し続けることにより、ひと、まち、子ども達の未来を創ります。そして、何よりもその原動力となる感動を共にできる仲間がいます。それが青年会議所の「修練」「奉仕」「友情」の三信条であり、決して揺るがないものです。

 近年、IT技術が発達して生産性向上や業務効率化が求められるようになり、人と人との対面コミュニケーションの形が変化しています。また考え方や働き方の在り方も多様化しています。ただ、どのように時代が変化しても、現在(いま)があるのは佐倉青年会議所の先輩方が失敗を恐れずに地域課題の解決に率先して行動してくださったお陰です。良い地域を醸成するためには、仲間同士で真剣に夢を語り合い英知と勇気と情熱をもって活動を展開していかなければなりません。現役会員が一様に同じ未来を見つめるのは難しいかもしれませんが、私は進むだけではなく、伝統回帰で一度立ち止まり未来へつないでいきたいと思います。そして、どんな時代であっても、青年会議所はその様な組織であってほしいと私は強く願い、1年、2年先の短期的な未来だけではなく、5年、10年先を見据えた中長期の未来につながる意義のある活動を展開する1年とします。

つなぎ目役の組織運営

事務局は、対内外において重要なつなぎ目役です。佐倉青年会議所の理事構成員が定期的に実施している正副理事長会議、理事会の設営だけでなく所属会員への情報共有や活動報告など多岐にわたる業務があります。効率化や円滑な組織運営を考えると事務局の支えが重要です。まずは所属会員の資質向上を行うために研修を行い、個の成長と組織の発展を強めます。また近年では千葉県でも豪雨災害が頻発しており、佐倉市、酒々井町、八街市で防災協定を結んだ関係をより強固にしつつ、行政と地域の方々のつなぎ目を担い、防災に限らず減災においても考えていくような防災事業を推進していきます。

また、佐倉青年会議所の事業は感動的で魅力あるものが多いにも関わらず、なかなか地域の方々に伝わらず、広報を最大限に活かせていないことがあります。昨今は、You TubeやInsutagramやTikTokのようなSNSによる広報が多様化されています。重要になるのが、チャンネル登録やフォロワーの増加など、継続的に情報を取得してもらうことです。各媒体の強み弱みがある中でそれぞれの良さを活かした広報を推進していくと共に、今この瞬間だけの広報に目を向けるだけでなく、発信力をより強固にするための未来を見据えた継続的な取り組みを行います。そして、受け取る人の気持ちに寄り添いながら、自信を持って自分たちの事業を発信することで、青年会議所がどんな団体で何を目的に事業を実施しているのかという根幹を伝え、佐倉青年会議所のファンづくりにつながる広報活動を行います。

人と人がつながるまちづくり

 まちの未来を創るのは青年会議所ではなく、地域に住む方々です。佐倉市も超高齢化社会などの問題を抱えている現状があり、若者の地域定着も課題のひとつです。そういったさまざまな社会課題を少しでも解決し、人口流出に歯止めをかけ、人口流入の呼び水となるように、若い世代から高齢者世代と幅広い世代がつながり未来に希望を持てる事業を開催することで、住まう地域の伝統となる事業に誇りや愛着を持っていただきます。

昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で佐倉市に限らず4年ぶりの開催となる事業が多くありました。また、4年前からの引継ぎ不足という問題がありながらも伝統を復活させることにより地域の誇りと人と人とのつながりが戻った年でした。我々が紡いできた多くの伝統事業も4年ぶりの開催で完全復活に至らなかったため、今年はさらにブラッシュアップを行い、人と人がつながり多くの地域が誇りと愛着を持てる機会を提供します。

継承していく青少年育成

子ども達には自分で考える力を養って欲しいと考えます。新型コロナウイルス感染症で人間関係が希薄になり、達成感や充実感や成功体験ができる機会が少なくなりました。子ども達の無限の可能性を開花させるために実体験が必要です。礼儀の大切さ、感謝の心、お金には変えられない命の尊さを学び、喜びを感じながら心に残る体験ができる活動を展開していきます。

青少年育成は、時代に合わせた手法が必要です。青年会議所らしさを融合して多くの人を巻き込み、多くの人を惹きつける事業として復活させて参ります。

そして青年会議所が紡いできた伝統文化を次世代に伝え継承するのは未来の子ども達や地域に住む人々です。青年会議所の事業で、未来の子ども達や地域に住む人々に地域で体験してもらい地域の将来を考え、愛着の持てる地域で生活をして、地域を次の世代へ引き継いでくれる体験の提供を行います。

横のつながりで拡大していくひとづくり

まず我々は、社会の課題を解決する運動を展開する組織として、リーダーとしての資質を持ち、時代に順応できる知識や教養を常にアップデートする努力を絶やしてはなりません。

青年会議所は、先行きが不透明で将来の予測が困難だとしても持続可能な組織となるために、多様性を活かすリーダーシップを追求する必要があります。本年度の研修は、まずJCI Missionに掲げているリーダーシップの開発と成長の機会を提供する意義や目的を理解して、地域の方々と共に学び、成長することで、地域を牽引する魅力あるリーダーとなり、信頼し合える仲間をつくり、個性を発揮して次代へつないでいくことが必要です。 会員拡大において、青年会議所は、タイムリミットがあります。40歳で卒業を迎えなければならないため、会員拡大は常に行われてきました。常に組織がリフレッシュされ、そこから生まれる多様な経験と多くのアイデアは、変動する時代の様々な課題をより良い方向に進めることができます。多くの会員が存在することで、佐倉青年会議所の盛り上がりや事業のクオリティ向上につなげるために会員15名の拡大を目標とします。私たちは、地域の皆様や会員の周りの方々に積極的にアピールを行い入会してもらう拡大を目指します。そこで、佐倉青年会議所が会員として活動する楽しさや魅力を伝えていくことを大切にして、他委員会の事業とも連携しながら会員拡大を行います。

想いを形に未来へつなぐ

来年50周年を迎える佐倉青年会議所は、50周年記念式典や記念事業を華やかに行うために、まずは歴代理事長をお招きしてこれまでの周年事業の講話を行っていただき、現役会員のイメージを膨らまし50周年に向けて準備を行います。

連綿と受け継がれてきた佐倉青年会議所の先輩方の弛まぬ努力と熱い情熱と私たちの想いを今後、50周年、55周年そして60周年へと紡いでいけるように準備をして参ります。

結びに

本年度のスローガンは「承前啓後」~不変の中に変革を取り入れ未来へつなぐ~と掲げました。今日まで青年会議所が当たり前のように活動できるのは、先輩諸兄姉の熱い想いと伝統を紡いでこられたお陰であり、私たちは数多くの縁のつながりにより成り立っています。私が佐倉青年会議所で活動してきた中で、対内外全ての方々に協力をいただかなければ大きく変わることもできないことと、大きな事を成し遂げられないという体験をした経緯があります。1人よりも2人、2人よりも3人というように多様性溢れる会員の縁がつながることで、変革が起こり大きな事業になると確信しております。この素晴らしい活動を来年、再来年と次代につなぐために1人の100歩ではなく100人の100歩の精神で、佐倉青年会議所の歴史を紡いでいきます。

承前啓後 とは・・・

昔からのものを受け継いで、未来を切り開くこと。
文化や文明を受け継いでいくことの大切さを表す言葉で、中国で昔から重要視されてきた考え方。